内科医・丁 秀鎮先生に聴く。40歳からの肉体改造! ~生涯ボディーメイクを楽しむために~

2023年1月12日更新
メンズウェルネス領域を中心にご自身のクリニックで診療を行っている丁 秀鎮先生。好きで始めた筋トレは趣味の域を超え、48歳とは思えない肉体美を誇ります。今回はそんな丁先生に40代以降のボディメイクについてお話を伺いました。

対談者プロフィール

Dr. ShU(本名:丁 秀鎮 Tei Shuchin) 

1999年 医師免許取得 現在47歳、内科医。 

2004年から本格的にBODY MAKE開始、同時期からテストステロンを意識した独自のアンチエイジング療法開始。 

365/365日 ”ON” がモットー。 現在のホームはGOLD`S GYM 神戸元町店 。

 

大森新

株式会社アルファメイル・NP+編集長

筑波大学在学中にビートルートの研究に従事。

同時期には肉体美を競う『ボディビル』の大会に出場するほど筋トレマニア。 
パーソナルトレーナー資格『NESTA-PFT』も取得し、栄養面とトレーニングの知識を活かして、逞しい男性のための健康情報を発信する。

 

40代が意識すべきトレーニング法

大森:本日はよろしくお願いいたします。Dr.ShUは内科医としての経歴をお持ちで、かつ独自のテストステロンを意識したアンチエイジング療法を行なっているとお聞きしております。世の男性が気になるトピックをザクザクと深掘りさせていただけるとのことで、非常に楽しみにしておりました(笑)

 

Dr. ShU(以下ShU):こちらこそ、よろしくお願いします。私が答えられる範囲であれば、できる限り回答いたしますので、気兼ねなく聞いてください!

 

大森:ありがとうございます。では早速、Dr.ShUも個人的に力をいれていらっしゃる『ボディメイク』に関してお話を伺わせてください。

弊社では40代のお客様が多くいらっしゃります。逞しさの回復を目的に運動を始められる方も多いのですが、トレーニングを始めるに当たって注意点などはあるでしょうか。

 

ShU:40代の衰え始めた身体は、いきなりストレスをかけすぎると容易に回復できないゾーン、いわゆるオーバーワークの状態に陥りやすいのが特徴ですね。

20代の方々がやっているような、ガンガンハードに攻めたトレーニングをすると怪我をしてしまう可能性が高く、そうなった場合は治りも遅いし、トレーニングできない期間が長くなり結果的に筋力は低下しちゃいます。またその怪我が原因で将来的に日常生活に支障をきたしてしまう(腰痛、肩の痛みなど)こともあるんです。

だから40代は最初から全力でトレーニングをしないことが大切かと。60%程度の力でトレーニングを開始して徐々に70%、80%と増やしていく、というイメージですね。

 

大森:なるほど。少しずつ負荷を高めていくという事ですね。

 

ShU:そうです。40歳を境にホルモン分泌であったり、代謝システムであったり、全ての体内のシステムが低下しちゃうんです。人間は元々50歳ぐらいで終わるようにプログラムされてるから、終末に向かって40代から衰えていくことは仕方のないことなんですよね。

医療の発達や健康に関する知識の普及によって寿命は延長してるけど、身体能力は何もしなければ歳と共に必ず低下しちゃいます。

だから20代の頃は身体のシステムとか気にせずがんがんハードに追い込めば結果は出るけど、40代は体内のシステムを意識したトレーニングをした方がいいんじゃないかなって思いますね。

 

大森:トレーニングの時間はどうでしょうか?

 

ShU:個人的にはできるだけ短く、集中してやるっていうトレーニング方法がいいんじゃないかなって思います。

適切な運動時間っていうのは個人差もあるし、目的によっても異なります。

若いころはやればやるほど効果が上がっていくけど、40代以降は毎日長時間トレーニングしてもなかなか効果が現れないし、むしろ疲労が溜まっていくんですよね。溜まった疲労は怪我にも繋がるし、トレーニングしようというモチベーション自体を無くしちゃいます。

 

大森:「短く」「集中」ですね。丁先生はどれくらいなさっているのですか?

 

ShU:ここ数年は40分程度に抑えるようにしてますね。トレーニングは好きなので気分がのるとガンガン長時間やりたくなっちゃうんだけど、疲労の蓄積を避けるためにグッとこらえるようにしてます。

全体のトレーニング時間は抑えてるけど、筋肉を発達させるためにはストレスを与えることが一番重要なので短時間に集中して筋肉にストレスを与えるようにしています

若い頃は重さでストレスを与えてたけど40歳を超えた辺りからいろんな角度や方法でストレスを与えるように工夫するようになりましたね。マンネリって言葉があるけど、トレーニングに関しても同じことばかりやっていると筋肉はそれに慣れてしまってなかなか発達はしてくれないんですよ

 

大森:なるほど。まさに量よりも質ですね。

 

ShU:ですね。なので、ケガ防止や効率性重視のためにサプリメントもしっかりと厳選して使っていくのもおすすめです。プロテインはもちろんの事、リカバリー目的のアミノ酸系の製品、集中力UPのためのカフェイン系のプレワークアウトサプリメントも等も、目的に合わせて利用しています。

ナイトプロテインシリーズの製品ももちろん利用させて頂いています。私は特にアナボリックピュアRTBテストコアNO3が気に入っています。トレーニングの質も高くなりますし、短い時間でしっかりと結果を得たい方には適していると思いますよ。

 

大森:ありがとうございます(笑)。開発チームにも伝えさせていただきます!

 

40代の運動は無理は厳禁!確実にできる事から

大森:怪我のリスクという観点でいうと、一度に多くの関節とか筋肉に負荷がかかるコンパウンド種目は避けた方がいいんですか?

※コンパウンド種目とは、複数の関節を動かして行う運動。重量挙げ(腰・腕・肩を動かす)などの種目が当てはまる

 

ShU:怪我のリスクということだったら一番気をつけないといけないのが種目より若い頃に運動部にいた人ですね。高校生や大学生の時に運動部にいた方は、ガンガン追い込んだ高重量でのトレーニング経験があると思うんです。

その経験から「自分はできる」という思い込みでいきなり昔と同じようなトレーニングをすると絶対に怪我をしちゃいます。これが一番危ないですね。マッスルメモリーとか、昔の筋肉が残っているっていうのは幻想だと思ってもらうのがよいですね。

 

大森:となると、今から始める人はトレーニングの基礎的なメニューから行った方が良さそうですね

 

ShU:そうですね。どのようなメニューから始めるのが良いかは、その人の身体の状態や目的によって変わってきますので、最初はパーソナルトレーナーをつけて指導してもらうのも一つの手段だと思いますね。

 

大森:なるほど。パーソナルトレーナーを選ぶときの注意点はありますか?

 

ShU:意外かもしれませんが、僕が思うに年齢が一番重要かと。できるだけ同年代のトレーナーさんを選ぶようにした方が良いと思います。

というのも、若いトレーナーはテストステロンなどのホルモン分泌が旺盛な年代ですので負荷をかけたハードなトレーニングしてもすぐに回復できますし、筋肉もどんどん発達していきます。彼らは40代以降の加齢による身体機能の衰えを考慮することなく、彼らのレベルでメニューを組みがちで、それをするとすぐに僕たちはオーバーワークになっちゃうんですよね。衰えを理解している同年代のトレーナーに年齢に合わせたメニューを組んでもらうのが一番安心かなって思います。

 

毎日続ける。まずはそこから

大森:年齢は意外でした。確かに同年齢の方が身体の悩みも理解しやすく、よりフィットした指導をしてもらえそうです。

最近はコロナなどもあり、ジムでのトレーニングよりも自宅での自重トレーニングを選択されている方も増えている印象です。

ジムと自宅、どちらが効率的と思われますか??

 

ShU:40代という年齢を考えると、自宅での自重トレーニングかジムでのトレーニングかという前に、運動習慣を身につけるという事が重要になります。だから僕はまず筋力トレーニングを開始する前に毎日10分でいいから1か月継続してウォーキングしてみてくださいとアドバイスさせてもらってます。

まずは10分から始めて、15分、20分と少しずつ延長していくと心肺機能も上がってくるし、何より一番大切な足腰の筋力トレーニングになります。

YouTubeでいろんなトレーニング方法が溢れているけど、運動習慣のない人はまずは基礎準備が大切なので、繰り返しにはなるけど、先ずはウォーキングを一か月続けて生活の中に運動習慣を落とし込み、それができてから筋力トレーニングを開始するといいんじゃないかと思いますね。

 

年齢を重ねると体内にサビが溜まってくる

大森:40代以降はあらゆる身体機能が衰えるとのことですが、体内のメンテナンスシステムも落ちていくのでしょうか?

 

ShU:残念ながら間違いなく落ちていきますね…。

人間は酸素を使ってエネルギーを生み出しているんだけど、その時必ず活性酸素っていう物質が出てくるんです。これはエネルギーを作り出す上で仕方のない副産物なんだけど、基本的には有害物質いわゆるサビの原因なんです。若い頃はサビがつかないようにしてくれるメンテナンスシステムがキチンと機能してるけど歳をとるとこのシステムが衰えるので、サビが身体に溜まって、病気の原因になっちゃうんです。

 

食事、サプリメントで抗酸化物質を補給

大森:そこで重要な役割をするのが抗酸化物質ということですか?

 

ShU:そう!体内の活性酸素除去システムが弱っていくのはどうしようもできないので、サプリメントとして活性酸素を除去する作用のある抗酸化物質を補給することが大切なんです。

抗酸化サプリメントとしてビタミンCは有名ですよね。もちろんそれ以外にも現在さまざまな抗酸化をうたったサプリメントが市場に溢れてるんだけど、購入の際には品質や成分量などきちんと確認することが大切です。

 

大森:抗酸化物質について、サプリメント以外に、果物や野菜を食べる量を増やすなど、食事を意識することも有効でしょうか?

 

ShU:食事からも摂取できますが、量でいくとサプリメントに敵うものはないですね。例えばビタミンCの錠剤なんかは1粒でレモン何100個という量になります。やっぱり食事に含まれているのは量的に少ないんですよ。

 

大森:となると、サプリだけで生活するのが効率的だという結論になりそうですが…

 

ShU:それはまた違う話なんです。

食事はサプリメントと違って咀嚼し味わいますよね。口の中に物が入り、触覚、味覚がオンになると、脳は”食べ物(栄養素)が入ってきたぞ!”って認識するんです

その結果、各消化器官に”栄養を吸収しろ!”って指示を出し、栄養素が吸収できる身体の状態になっていきます。

その状態でバランスのとれた食事をしっかりと食べて、足りない栄養素をサプリメントで補うというのがいいのかなって思います。

 

ボディメイクにはテストステロンが重要

大森:ボディメイクの観点から、抗酸化物質を補給しないと筋肉は発達しにくいんですか?

 

ShU:活性酸素とボディメイクってことになると、テストステロンが大きく関係してきますね。テストステロンは筋肉合成のスイッチを入れる男性ホルモンです。

活性酸素はテストステロンを産生する臓器に悪影響を及ぼし結果的にテストステロンの産生を低下させちゃいます。この活性酸素はストレスによっても発生するので、毎日ストレスがあるような生活を送っている人って、いくらトレーニングを頑張っても筋肉発達に重要なテストステロンが少ないから筋肉の発達速度って遅いんです。

だからできる限りストレスを生活から取り除いた方がいいんだけど、仕事上のストレスを取り除くってなかなか難しいですよね。

ストレス自体を取り除くことが難しいのであれば、ストレスによって生じる活性酸素を抗酸化サプリメントを摂取して、できるだけ体内から除去してテストステロンの分泌をきちんと維持することが大切です。

 

大森:ボディメイクにおいてはテストステロンが大きな要素なんですね。

 

ShU:むしろそれしかないんじゃないかなって思いますね。テストステロンが無いと筋肉は発達しない、って言い切ってしまうと語弊があるかもしれませんが、かなり発達は遅いでしょうね。

 

大森:となると、テストステロンが減少し始めてくる40代以降はなかなか大変ですね。

 

ShU:そう。実際筋肉が付きづらいです。テストステロンは筋肉だけじゃなくて、精神的な部分にも働いているんで、仕事を頑張ろうとか、トレーニングしようとか、女性にモテたいとか、そういったモチベーションも低下してきます。男性更年期障害(LOH症候群)というのもテストステロンの低下によって引き起こされる病態で、今非常に注目されています。

故に40歳以降はテストステロンを上げる生活習慣とか、テストステロンを上昇させる効果が期待できるサプリメント(テストステロンブースター)を積極的に取り入れることが大切なんじゃないかなって思ってます。もちろん僕もサプリメントをしっかり摂ってますよ。

 

大森:テストステロンを上げるような生活習慣とは具体的にどういったものですか?

 

ShU:基本的にみんなが健康的と思うような生活、つまりしっかり睡眠をとって、バランスの取れた食事をして、仕事も楽しんで、といった肉体的にも精神的にもストレスが少ない生活がテストステロンを上げるって事に関しては理想的です。でも、なかなか難しいですよね。

だからまずはできる事からコツコツと、快眠グッズや栄養バランスアプリなども活用して少しずつ近づけていってください。

もちろん良質なサプリメントを使うことも一つですね。ナイトプロテインさんでも相談は承ってるって聞いてますよ?

 

大森:アハハ。そうですね。自社商品に含まれていない成分をご紹介させていただく事もあります。法律面でどうしても効果効能はお伝えできない部分も多いですが…。できる限りは回答をさせていただきます。

 

ShU:それはありがたいな〜、僕もナイトプロテインのユーザーなんで、今度相談窓口も活用してみようかな〜(笑)。

大森:ありがとうございます。Dr ShUの方が我々よりもテストステロンに関する知識はあるかもしれませんが…。むしろ我々の代わりにご回答いただきたい位です(笑)

では、本日は様々なお話をありがとうございました!

 

ShU: こちらこそ、まだまだ話足りないので、また次回声をかけてくださいね。

 

40代のボディメイクは焦り厳禁!

今回は、内科医かつメンズウェルネスの専門家であるDr ShUにお話を伺いました。

ありがとうございました。

本文中でDr ShUも話していますが、40代以降の男性のトレーニングの場合、とにかく身体を動かす!ではダメ。

  1. 筋肉生成に不可欠なテストステロンの増加
  2. 抗酸化物質を摂取し身体にサビがたまらないようにする
  3. けが予防&継続可能な負荷でトレーニングを楽しむ

を意識して逞しいお身体を目指してください。 

 

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